色の見え方も変わってくる

年齢とともに、身体能力は変化するものだ。高齢者になる事によっておこる身体能力の変化に合わせて、社会全体を作り替えていくと、高齢化が進む日本では、より良い暮らしをしていく事ができるだろう。

高齢者の身体能力の変化のひとつとして、色の見え方が変わってくるというものがある。若いころには、特別な色覚異常がなければ、様々な色の違いが鮮明に見えているものだが、高齢者になるにつれて様々な色の変化がわからなくなってくるものだ。統計的に見ると、高齢者には黄色やグレー、そして青色といった色が見分けにくいとされている。この色の見え方の変化は、加齢による変化と紫外線が影響しているとされている。

人の目の中には、カメラでいうところのレンズに当たる水晶体というものが存在している。この水晶体に光が通る事によって様々な映像や色の変化を見る事ができるのだが、水晶体は加齢や紫外線の影響によって徐々に白濁してくる。そして白濁が進行した結果、黄褐色へと変化してしまう。これは、常に黄褐色のフィルターを掛けた状態でものを見ている事になる。これが、高齢者の色の見え方は変化する理由だ。黄色いフィルターがかかっているため、黄色の色は見分けがつきにくい。さらに、水晶体が濁っている事から、目の中に入る光の量自体が制限される。常に少ない光しか入らないので、高齢者には暗い色の変化が見わけがつきにくくなるという事だ。この事から、高齢者は青やグレーといった暗い色の見分けも付きにくい。